夜の楽しみ 夜の友といえばお酒

飲み物

夜の楽しみはお酒という人は多い。仕事が終わり家に着くまでのひととき、同僚や友人と飲む酒は楽しい。人はつらい時も楽しいときも酒を呑む。酒と人類の付き合いはとても長い。原始の時代、人は発酵してアルコールに変わった果物を食べて酔っぱらって以来の付き合いだ。

人と酒は付き合いは長い

人は、発酵した果物を食べられるようになったおかげで他の動物よりたくさんの食物を確保できた。酔っぱらうことで生存競争を勝ち抜いた。私達は酔っ払いの子孫でほんらい呑兵衛なのである。

紀元前3000年頃、メソポタミアでは既にビールが作られていた。ビールは飲料だけでなく薬としても飲まれた。ビールは栄養価が高いことからシカル(液体のパン)と呼ばれ、労働者の賃金としても払われた。ビール100瓶が給料だったら家に帰るまでに随分減ってしまいそうだ。

時代によって、酒は薬になったり毒になったりする。米国は、酒は健康を損い家庭を貧困に落とす悪魔の飲み物として法律で禁止した時代があった。悪名高い禁酒法時代である。悪魔に近いアル・カポネは密造酒の製造で大儲けし、善良な医者は治療用のアルコールの使用許可を政府に懇願する奇妙な時代だった。人々は酒を得るために悪魔のようなマフィアとつき合った。

酒は笑顔を増やし絆を結ぶ

酒は悪魔の飲み物かそれとも命の水(ウィスキーの語源)かその論争に終わりはないだろうが、酒に多くの効能があることは証明されている。ピッツバーク大学の心理学チームが行った実験がある。「酒を飲まない男性グループ」「飲まない男性たちに女性を一人入れたグループ」「ウォッカを飲む男性だけのグループ」を作り、それぞれグループが会話したときの笑顔の数を数えた。酒が飲めて女性と話せるとはなんとも羨ましい実験である。

結果は「女性が入ったグループ」の笑顔の数は「酒をのまないグループ」より9%笑顔の数が多かった。「ウォッカのグループ」は21%の増だった。女性の魅力も凄いがウォッカの威力はもっと凄かった。どうして「ウォッカ+女性一人を入れたグループ」を作らなかったのだろうか。測定不可能になるのを恐れたのかもしれない。

笑顔が増えた理由は、人に備わる相手の感情を模倣する情動感染という能力による。相手が笑うと自分も笑う、相手の感情をコピーすることで二人の距離を縮める。女性は元々この能力が高いので友人や社会的なネットワークが広い。

男性は地位や競争に囚われ情動感染を抑制する傾向が強い。素直に成れないのだ。そこで酒が登場する。酒は男の情動感染を高め絆を深める。酒が潤滑剤と言われる所以である。

酒は百薬の長

酒は健康維持の効能もある。英国のある調査は「酒量が極端に少いグループ」と「極端に多いグループ」の心臓病で死ぬ割合を調査した。結果は両端も死亡率が高く真ん中へいくほど少なくなった。飲みすぎなければ、心臓に良い影響があるらしい。アリストテレスも何事も中庸が良いと言っている。

スペインの調査は、適度な酒の摂取はうつ病のリスクを下げる効果がある。酒がストレスや緊張をほぐすのである。どちらの調査も酒飲みにとって心強いが、飲みすぎないのが前提であるのを忘れていけない。

「酒は百薬の長」という言葉がある。この言葉を残したのは、前漢を滅ぼした王莽である。王莽は奸臣として知られているが「夫れ塩は食肴の将、酒は百薬の長、嘉会の好、鉄は田農の本」と良いことも言っている。彼は前漢を滅ぼしたのち理想すぎる政治をしたので社会は混乱して民は大いに苦しんだ。最後は洪武帝によって討たれる。酒も政治も極端はいけないのだ。

女性と飲む酒は楽しい

酒がもっとも力を発揮するのは男女の関係である。居酒屋であれ、おしゃれなバーであれ、カップルで飲んでいる二人は何らかの感情のつながりがある。恋が始まりか、恋愛の真っ最中か、それとも別れを感じながら飲んでいるのか。

「私の人生の科学」という本にこのような一節がある、男の脳は、恋が始め食事や酒を飲みながら、相手の女性が自分を気にいるにはどうしたら良いかを猛烈な勢いで考えている。女の脳は、相手が自分に相応しいかを表情や仕草を見ながら素早く計算している。

女は男の免疫タイプまで無意識に考える、男の免疫の型が自分の型と離れるほど子供の免疫が強くなる。女は男の唾液からそれが判断できるらしい。女とは恐ろしき生き物である。男女ともに出会いは厳しい緊張を感じる。酒はその緊張感を弱めてくれる。男は緊張から解放されて女を楽しませることができ、女はその行為に情動感染が高まる。女の理性がこいつはダメだと脳が警告しても、まぁ良いかで付き合ってしまうかもしれない。酒は男にチャンスをくれる。

しかし、男の夢見ることが実現するのは稀である。なんとかベッドまで辿り着いても、飲み過ぎてイチモツが役に立たなければ、その夜に使ったお金はすべて無駄になる。そんなときは、朝になり酒はほどほどにすべきと痛感する。しかし翌日の明日になると忘れてしまう。男は馬鹿な生き物だ、わかっちゃいるけど止められない。

西洋の諺 老いた医師よりも老いた酒飲みのほうが多い

There are more old drunkards than old physicians.老いた医師よりも老いた酒飲みのほうが多い)酒飲みは長生きする。西欧の諺である

女性と飲む酒は大きな夜の楽しみである。老いても若い女性と酒を楽しみたいものだ。

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