ラブ・ドールの進化が著しい。特に中国で開発が進んでいるらしい。中国の青年が日本の職人技を学んで母国に帰りラブドール会社を起業した、いわゆるユニコーンである。中国は一人っ子政策のために深刻な男余りになっていてお一人様の性市場は桁違いに大きい。
中国で進化するラブドール
中国は、2020年に結婚できない男の数が3000万から3500万人に達している。カナダの人口が約3800万人だから、カナダ一国が独身男性でほぼ満たされている状態だ。結婚できないその男たちは当然オナニーをする。若い男性が一回に射精する精液の量は3ccだから、3500万人が一晩に放出する精液は、105,000,000ccになる。105,000,000ccは約105,000リットル、1リットルは約1キログラムだから(精液の比重はもっと重いかもしれない)105,000キロ 約105トンが発射されるのだ。一晩に30万トンの石油タンカー3隻分が精液で満たされる。白髪三千丈は現実なのである。なんとも壮大な光景なのだ。
人間の男女比は、女性100に対し男性が102〜107であれば自然な状態だそうである。しかし中国はなんと118になるらしい。オギャーと生まれた時から18%の男、100人のうち18の男は結婚できないと決まっている。確率的に結婚できる数に入っても、成長して超高学歴、高収入でないと結婚できない。チャダに多数のステイシーが押し寄せインセルは見向きもされない。厳しい社会である。
男の性欲は結婚の可能性が無くても無くならない。相手がいなければ自分で慰めるしかないが、いい年になって右手だけが恋人なのは寂しい。もう少し自分とは別の存在が欲しい。少しでいいから女性のアソコの感じを味わいたい。男の心はなんとも切ない。そんなとき頼りになるのが大人のおもちゃである。
あまりにも美しいラブドール
ラブドールは、そんな寂しい男たちを救世主である。中国人の商売の嗅覚は鋭い。中国市場をターゲットに選んだユニコーンは慧眼だった。彼の会社は大きくなり、今や彼女たちは工場で量産されるようになっっている。軽金属で骨格が作られTEP(熱可塑性エラストマー)やシリコンで肉付けされる。彼女たちの弾力や肌触りは限りなく人肌に近い。
秘められた部分は有名AV女優のものを精密に測定して作られることもある。見た目だけで中の感触もけっこう似ているのである。最近はブラジリアンワックスのお世話になる女性が増えたので植毛の手間が省けるそうだ。
驚くのは男の願望が凝縮されたその美貌である。黙って座る姿はなんとも色っぽい。中国にラブドール仙人と呼ばれる男がいる。多くのラブドールを集めて一緒に暮らしている。「抱いているのか」と問われると「彼女たちの秘所を見てみろ使った形跡が無いだろう」と答えている。一緒に居て写真を撮るだけで楽しいらしい。日本の愛好家も彼女たちの写真を撮るのが趣味だそうである。
とはいえ、購入者の多くは性の対象として使う。たいへんな美女を道徳や理性から解放され自分の想い通りするのは快感であるに違いない。人間の性倒錯には、スコプトフィリア(覗見症)とかエキビジョニズム(露出症)、サディズム、マゾヒズム、ゾーエラスティア(獣姦)、オナニズム、トランスヴェスティズム(女装男装趣味)から、ウロラグニア(放尿愛好)まで数え切れないくらいある。
ピロラグニア(放火によって性的快感を得る)という物騒なものまである。人形を愛するのはピグマリオンコンプレックスに分類されるが、ラブドールの愛好家は、ピグマリオンコンプレックスや対物性愛者とは異なり、あくまでも人間の女性の代役として愛しているのである。
ラブドール愛好家は、生の女性を求めるか
ラブドールが、技術開発が進んでさらに人間に近くなれば、ラブドールそのものを愛する男が増えるのではないだろうか。愛撫を始めれば目をつむり男の動きに合わせて喘ぎ声をだす、秘処は自然に濡れてくる。キスをすれば舌を入れてくる。
途中で体位を変えてと要求する(事前に好みをセットする必要があるだろう)そしてある程度の時間、行為が続けば締め付けが厳しくなり「もうダメ、いっていい、イクイク・・・」ぐったりとなる、なんて機能が着いたら夢中になるかもしれない。どの機能も今の技術で十分の開発できそうだ。
彼女たちは、人間の女のように気が乗らないとか痛いとか、下手とか、あなたの物は小さいなどの文句を言わない。押し入れに何日も放り込んでおいても大丈夫。それなのに、やりたい放題とは男にとって女神のような存在である。問題は価格であるが、軽自動車くらいなら売れるかもしれない。
若い男がラブドールに夢中になり、女に興味をなくす社会になったら、フェミニストたちは何を言うのだろう。男はもっと女性を性の対象として興味を持つべきだ、もっといやらしい目で見ろと言うのだろうか。人権派は男はもっと女性を尊重してナンパしろ、あるいはラブドールに人権を認めろと言うのだろうか。
ラブドールは人間本来の性を取り戻す
男が夢中になりラブドール女性のライバルに成長したとき、人は男性と女性の違いを再発見するのではないだろうか。女性は男性から求められる喜びと女性の本質を思い出すだろう。
ジェンダーギャップを無くせやMetooと叫んでいる人たちは力を失い、LGBTの議論も下火になるだろう。男の身体に女の心は入らない。男の身体に入っている女の心は、女の身体に入っている女の心と同じではない。そのような普通のことに気づくだろう。
今のラブドールは恐ろしく美しい顔をしている。ただ瞳はじっと動かない。抱いているときも挿入しているときもじっと同じ表情で見つめてくる。顔が美しいだけに余計に虚しい。男は、使っているうちに女性の魅力は表面的な美しさだけではないのしるだろう。
ラブドールを生身の女性に近づけようとすれば高価になる。手に入れられるのは金持ちだけになる。それなら、女性を獲得するするのもラブドールを買うのも、金持ちが優位になり今と変わらない。ただラブドールはクラスを妥協すれば必ず手に入れられる。
彼女達は拒否をしない。ラブドールの世界には、チャダもインセルもいない。本当の女性たちが、愛される喜びに気づき、普通の男のところに戻ってくるまで、ラブドールにお相手をして貰えば良いのである。
技術の発展は人間社会を変えてきた。技術の進化は人間の性を変えるかもしれないない。